

ザチュカについては、1995年の中国政府の公式資料によると、
以下の情報やデータは英国チベット・ファウンデーションの現地派遣スタッフがザチュカの4つの遊牧民居住地の家畜や食料の状況について収集したものです。できる限りのデータは収集しましたが、このうち、いくつかのデータについては入手困難または不正確なものがあります。

人口: 634世帯(2,629人) 家畜: 災害前・・21,253 災害後・・15,436(1996年5月) 15,089(1996年6月) 家畜を100%失った世帯: 103世帯(246人) 家畜を80%失った世帯: 296世帯(1,583人)表面上、家畜の全てを失った世帯は小さな家族(注: 1世帯あたりの人口は2.5人弱)で、おそらく少しは生活を再開するための家畜が残っています。ただ、多くの家族を抱える世帯もひどい被害を受けています。例外なく、全ての世帯が何らかの家畜を失っています。また、この居住地は大きな街から遠く離れており、どこか近辺に行って物乞いやその他の支援を求めることができないという問題を抱えています。

人口: 4,123世帯(17,631人) 家畜: 災害前 災害後 ヤク 93,498 32,389 羊 98,053 39,709 馬 5,487 3,112 総数 197,038 75,210 家畜を100%失った世帯: 783世帯(2,779人) 家畜を80%失った世帯: 2,010世帯(9,222人)遊牧民の生活再建支援のためのヤクや羊が手に入るかどうか、実際に確かめるためにこの居住地を訪問しました。
また、バタル遊牧民居住地の各世帯の人に会い、約18,000ジャマ(約9,000Kg。ジャマはチベットの重さの単位で約0.5キログラム)の穀物(主として大麦、米が少々)を手渡しました。各世帯に当面の支援として約25ジャマ(約12.5Kg)の穀物を渡すことができました。

人口: 725世帯(3,063人) 家畜: 災害前 災害後 ヤク 7,722 4,560 羊 4,580 1,972 馬 596 114 総数 12,898 7,077 家畜を100%失った世帯: 118世帯(472人) 家畜が1〜2頭しかない世帯: 94世帯(376人) 食料が尽きた世帯: 359世帯(1,903人)この居住地の80世帯が、生き延びるために物乞いに頼っています。これは家族の離散に繋がっています。

人口: 529世帯(2,299人) 家畜: 災害前 災害後 ヤク 15,119 10,686 羊 16,613 13,660 馬 910 832 総数 32,642 26,009この地区についてはこれ以上の情報は判明していません。しかし、チベット・ファウンデーションの現地派遣スタッフは35世帯(89人)が家畜や食料やテントまでも含めて完全に全てを失ったと伝えられました。このような人々は新しいテントを作るため、捨てられた衣服を探すべく街のゴミ等を集めています。寒波の被害はこの地区で特に深刻でした。700人もが凍傷にかかり、14人が重傷で1人が亡くなりました。

また、チベット・ファウンデーションの現地派遣スタッフはデルゲ、セルタ、カンゼでは十分な時間が取れませんでしたが、概略のデータを入手できました。
今回の寒波の被害は広範囲に渡っていますが、特に辺鄙なところにあったり、寒波の被害が特に深刻であったり、家畜が特に多く死んだりといった、遊牧民居住地はそれぞれの固有の問題を抱えています。
また"アブラ(Abra)"の問題もあります。これは地中に済むネズミのような動物で牧草や作物の根を食べてしまいます。これが放牧に対して破滅的な影響を与えている地区もあります。
今回の、チベット・ファウンデーションスタッフの現地派遣で最も明るい側面は地元政府との協力関係を築いたことでした。これは我々の支援活動への信頼を高めるとともに、地元政府は外国人がチベットを訪問する際に直面するビザ発行の際の繁雑な手続きについて、今では簡略化するよう努力してくれるようになりました。
最も重要なことは、地元の反応でした。これにより、チベット・ファウンデーションの現地派遣スタッフが穀物や家畜を買い付けることができただけでなく、寒波の被害への支援のための募金を継続することの意義を明確にできました。
チベット・ファウンデーションとその支援者は、今回の寒波で失われた家畜を遊牧民にできるかぎり取り戻させ、伝統的な遊牧生活を将来に渡って続けられるよう強く望んでい
ますが、地元の遊牧民はこのような我々の願いに対して大きな信頼を寄せています。